コラムNo.1「女性向けに住宅を伝えることの難しさ」

ある住宅企業で参画させていただいていた女性向け戸建新商品プロジェクトが
実棟モデルハウスに表現されました。


これまで何度も議論してきた言葉やストーリーが、家という最終形で表現される。
壁があり窓があり、実際に手に取れるモノが並べられる空間となった時にはじめて、
これまで何百何千と交わされてきた「言葉」の数々がシナプスのようにつながり、
一人感動してしまいました。


この1年半で学んだことを一言で言えば、「住宅を伝える難しさ」です。
当たり前だと言われそうですが、この難しさのハードルが1-2年の間に急に上がってきているということです。


★企画書やコンセプトワード、カタログやWEBのコピーだけでは、住宅は表現できない。
★実棟モデルハウスをつくっても、住宅は表現しきれない。
★そこに喋り上手な営業マンやIpadツールを置いても、住宅は表現しきれない。


そこに来たお客様が、この家の中で何を思い、どんな話を聞き、どんなストーリーを感じ、感じ取ったフィルターを通して、改めて壁やドアやキッチン、空間をどう認識してくれるか。

現実は他社にも納められている同じキッチンだったり、スマート設備などのアセンブルにすぎないこともあるでしょう。だからこそ、自社のアイデンティティをどう載せるかが問われているのだと思います。


こうした過程を、従来の営業マナー研修などで対応していくのはとても難しくなってきているのではないでしょうか?
「高感度で(好感度の時代はとうに過ぎた)感じがいい」営業マンレベルから
「お客様の脳にどういうフィルターを植え付けて、どうモデルハウスを認識してもらうか」が問われているからです。


今回関与させていただいて思ったのは、「この法則さえマスターすればOK」「この5か条を覚えれば受注できる」「スマート設備のこの説明ができればいい」という営業ハウツーやコツや知識では、もはやお客様の脳に残らないということです。


各社、お客様に伝えるべき内容は本来違うはずです。
本来違うはずのものが同質化してしまっているから、受注を競合にとられ、
どこに行っても同じようなスマート説明ばかりで客もウンザリ決められなくなる。
それは営業・消費者双方ともに悲劇で疲れと時間を浪費するだけです。


今回リリースした商品に対し、業界の住宅をたくさん見てきたであろう総合展示場関係者からこんな言葉をいただきました。「スマートハウスに偏重な今の住宅業界の現状に私も疑問を感じます。今回の商品は消費者が本来求めているもののひとつである気がします」
第三者の視点であるだけに嬉しかったです。


即効薬や共通回答はありません。答えは住宅企業一つ一つの奥底にあるからです。
そのお手伝いとして弊社は今後も住宅関連企業様と一緒に考えていければと思います。

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